対人関係・人間関係-2

「ねっ。あなたもそう思うでしょう。」
「当然同じ意見ですよね。」

突然そういわれた時にうろたえて、過去帳の私は心の中で「違うよ！」と叫んでいた。相手を傷つけてはいけないという思い、自分が傷ついているのをじっと我慢していた。

相手に嫌われたり、不機嫌にさせてはいけないという思いが何より怖かったから。相手に合わせてばかりで、自分の意思を言えずにいつも右往左往していた。

自分に自信がないから、ダメな人間だと思ってたから、自分の意見を言えなかった。相手の言葉に振り回されて、自分というものを持てなかったから。いい人でありたいという思いは、ちぐはぐな姿をさらけだしてしまう。そんなダメな自分がいつも悲しかった。そんな自分を責めてばかりいた。周囲から見たらきっと信用できない、八方美人に見えたことだろう。

今は自分は自分。他の誰でもない「私自身」だと思えるようになった。違和感を感じる時は、相手に聞こえるように言葉に出して呟やくようにしている。

「どうして？」（納得できないよ）
「それってどういうこと？」（あなたの言ってること理解できない）
「それはあなたの意見ですよね。」（私の意見じゃないよ）

直接言いづらかったら、相手に聞えるように【呟やき作戦】をやっててごらんとアドバイスを受けて、手ごわい相手に恐る恐る聞えるように呟いてみた。ダメな自分から脱却するためだったら、失敗覚悟でなんでもやってみよう。身体を震わせべそをかきながら、必死になって相手に言ったりもした。念仏のように毎日心の中でブツブツと唱えて、相手に言えるようにと練習を繰り返した。当に長い年月だったような気がします。

その後、相手になにか言われたら即座に返答をせずに、一呼吸おいて深呼吸1.2.3.4.5.6.7と数えて、呼吸を整えてから応答する訓練をずっと続けていた。

「それはあなたがそう思っているのね。」そう言えるようになってきた。

「ノー」と言えずに、自己嫌悪に陥ったことありませんか？

だいぶたってから仲間同士で『こんな事言われたけど筋違いだよねー』と、別の場所で思わず愚痴ることも…。「なぜあの時に、言わなかったんだろう？？」 と、自分自身を振り返ることがあります。

こんなことは誰にでもよくあります。ただ、相手に対し素早い反応が出来る人ばかりではありません。素早く対応できる方と、とっさのことに言葉を探しているうちに時期を失してしまう方もいます。
相手からすれば反応（反撃）がないのは、自分の言う事が正しいと受け取ります。しかし、こちらの立場からすれば「言われっぱなし」でストレスになります。いわゆる言われ損です。

これを解消する為に「うん？」って思った時に、『それってどういう事ですか？？』と素早い反応で聞き返す訓練をくりかえすことも有効です。または『それは私の事を言っているのですか？？』と、確認する言葉を口に出します。

人は時に自分勝手な判断を、口にする時があります。そんな時に相手に聞き返されると、「あれ？自分の思い違いかな？」と素早く考え、『いえ、違うみたいね』とすかさずフォローし、確信がなければ相手はひいていきます。

できることなら言われた事に対し納得のいかぬままに、心の中に留め置く事はしない方がいいのです。沢山溜めこんでしまうと考え込んだり、『そうではない！』とはっきり言い返せない自分を責めてしまうことになるからです。

最初はほんの些細な事と気にしないのですが、積み重なるストレスを処理出来ずにダウンしてしまうのです。「その日の事はその日のうちに！」