うつを生きる-2

私はうつを患いました。うつの苦しさは、その病気になった人でないときっとわかってもらえないでしょうね。普通にできることが、普通にできなくなる悲しみ…。自分が自分でなくなるなんてありえない！

そのこころの叫びを受けとめてもらえるところが見つからなかった。つらいと言ったら、「みんながつらいの。」「あなただけじゃないのよ。」と言われ、誰にも言えずにこころを閉ざしてしまった経緯があります。

家族からはうちの嫁は起きてこないと言われ、だらしのない嫁だと烙印を押され、自分でも本当に私はダメ人間だと思っていました。しっかりしなくちゃと思っているのに、なんにもできないつらさはとても悲しいです。
「こんな簡単なことがどうして解らないんだ！」「もういい加減にしてくれよ！」そう、いろいろありました。

起きあがれない、倦怠感で無気力になる、トイレに行くのさえも難しい、思考回路がショートする、記憶回路がつながらない、文字が読めない、文章やテレビのドラマが理解できない、過眠、頭痛、慢性の肩こり、攻撃性…。台所に立つと頭が真っ白になる。味覚、嗅覚を失った。食材とレシピがつながらない。料理方法がわからない、調味料の量がわからない、ストレスから過食、関節のこわばりと四肢の疼痛、バスや電車に乗れない、パニックになる、不安でしょうがない、不眠、自責、起死年慮…。

でもね、うつはきっと回復していきます。ストレスを蓄積した分、年月がかかるかもしれませんが、ゆっくりゆっくり心をいやしていきましょう。だって病気になる前はいろんなことができていたんだもの。

私は同じ話を数えきれないくらい繰り返し、泣いてわめいて、こころのわだかまりをカウンセラーにぶっつけて聴いてもらいました。穏やかに受けとめてもらって、自分のパンドラの箱をひっくり返して整理しながら今に至っています。

無意識の中にあった自分のアダルトチルドレン。子どもの頃のつらかったこと。ずっとふたをして来ていたのですね。ああわたしずっと自分を責めてきたけど、本当によく頑張ってきたなあ！！今はよく生き延びてきた自分を褒めています。

うつをサポートする側も大変でしょう。イライラして、怒りがわいてくることもあるででしょう。でも、周囲がいくら焦ってもどうにもならないのです。そんな時は、黙って見守ってもらえると救われます。なんにも言わずにただ見守るだけ…。「気にかけているよ。」その気持ちだけで十分です。