親子関係・子育て-3

子不幸な親もいる

非常識なことを言ってもいいですか？

私は父（母）が大嫌いです。
早く死んで欲しいとさえ思っています。
こう思う私は、いけない人間なのでしょうか？

恐る恐る、そういうお話しをされる方がいる。
今まで育ててもらってきたのに、こんなことは口が裂けても言えないじゃないですか。世間から見たら、こんなことを思っている子どもなんて、信じられないでしょうね。だから、誰にも言えずにずっと自分の胸に仕舞いこんできた。言ってはいけないことだと思ってきましたという声。

「子不幸」な親ってどんな親？

子どもを否定する言葉を無意識にかける
挫折や苦労をさせたくないという親
子どもの人生のレールを敷き続ける親
過保護・過干渉で、子どもの自立を妨げる親

そうね。今まで言える場所がなかったのだから、ここで本音を言ってもOK!私自身が、「親不孝な子」だった。そして、「子不幸な親」でもあったから、どちらの気持ちも「あり。」だと思うのです。

自分のパンドラの箱を開ける

身内には話せない。家庭の中の暗黙のルール。
家の中で起きた問題は、外に漏らしてはいけない。
なにが起きているか解っていても、誰も口にしてはいけない。
自分が傷つきたくない。家族を傷つけたくない。
だから、いろんな問題を見てみぬふりをしなくてはいけない。

話し始めたら自分の気持ちが、堰を切ったように溢れでてくる。不仲な両親の元でどんな思いを抱えてきたか。親を怒らせないように、叱られないように、褒めてもらえるように、顔色を伺ってきた。自分の気持ちを表現する事ができずに、ずっと我慢してきて社会人になる子どもたちが多くいる。

生きづらさを抱えている、子どもたちの声に気づいてほしい！

「子不幸な親」になっていませんか？子どものしあわせのためにと、子どもの人生を親が取り仕切っていることもあります。
子どもたちには失敗する経験、挫折する経験が必要なのです。自分で解決していく力をつけていく。それが生きていく力だと思うのですが…？私は今、「子不幸な親」のやり直しをしている最中です。

子育てに自信がない

「私はダメな母親じゃないか？」という思い

子育てって本当に大変ですね。夫は仕事で連日多忙。生後間もないこどもと24時間向き合って、気持ちが休まる暇がありません。しっかり育てなくちゃと思っているのに、育児に疲れ果ててストレスが溜まってしまうのです。近くに知り合いもいない。頼る人も誰もいません。泣き止まない子どもについイライラしてしまいます。

育児書にはバラバラなことがかいてある。どれを信じたらいいのかわからない。いろんな人に「食育が大切」だといわれてる。だから、毎日手作りの離乳食をつくって食べさせている。なのに疲れちゃってそれができなくて、市販の離乳食を食べさせてしまいました。

「こんな私は母親失格ですよね。」受話器の向こうから落ち込んだ声が聞こえてくる。

育児は手抜きするくらいでいい

誰でも余裕がなくなると周囲が見えなくなってくる。育児がしんどいなと思ったら、子育ての経験のある人に話してみると安心できる。育児を少しくらい手抜きしたって、誰もなにも言いはしません。手抜きしたからって、子どもが曲がった人生を歩むなんてこともありません。

むしろ、育児書にこだわって、そのとおりにいかないからと、ストレスを溜めるほうが影響があるでしょう。手作りの離乳食と市販の離乳食で悩まなくてもいい。自分に都合のいいように両方を使い分けても大丈夫だと思います。

小さなことで悩んだり、ストレスを抱えるよりも、その気持ちを話してみませんか。話すことで心の圧力が下がって、気持ちに余裕が出てきます。同じように育児で悩んだきた今だからこそ言えるのかも？

お母さんは人生をあきらめたんよ

「嫁いでから、人生を諦めて来ました。」

電話カウンセリングでのこと。その言葉を聞き、ずしんと胸に響いてしばらく言葉になりませんでした。そして、自分自身ストンと腑に落ちました。そうかあ、私もそういえば…。そうなんです。

長男に嫁いだことで背負った、計り知れないジレンマ

まるで違う環境に一人嫁いで、戸惑いながらなんとかしようと頑張ってきた。価値観、常識、習慣、食事の味付け、なにもかも全てが違う中で、誰にも理解してもらえないつらさを抱えて必死だった日々。

嫁いだことで求められる、否応なしの宗教の強制。姑や舅・義理の弟妹たちの遠慮のないプライベートへの介入、自分が自分でいたら認めてもらえなかった日々。嫁ぎ先の中で自分の家なのに自分の家じゃない、居場所がなくて心細かった。見方になってくれる筈の夫は、心が育っていない、体だけ大人になったこどもだった。

最後に頑張ってもどうしようもなくなって諦めて、その代償に子どもに期待をどんどんかけていった。「しっかりした社会人にさせなくちゃ！」って、厳しくしつけた。夫に愛されていない分、そのエネルギーを子どもに注いで生きがいになったいたのだった。本当に子どもたちには申し訳なく、つらい思いをさせた。ごめん…。

「お母さんは人生を諦めてきた。」

ずっとそう思って自分を責めていた。心の中でいつも子どもたちに手を合わせて、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。その子どもたちが、「お母さんもう、自分を責めなくていいよ。」よくここまでやってきたじゃない！そう言ってくれた。

確かにいろいとなことがあった。間違った子育てもしたし、多くの人を傷つけたりもした。その時はそれがベストだと思っていたから、それしか方法がないと思っていたから…。穏やかな人生になってから、しみじみといろんなことを振り返っている。

「私、よく頑張ってきたよ。」
今は素直にそう思えるようになっている。

虐待するつらさに泣いた日々【カウンセラーの体験】

我が子を虐待するはずがない！

こどもが生まれた時、「お母さん命がけて守ってあげる。」

幼いわが子は本当にかわいくてたまりません。
グイグイとおっぱいを吸う力強さは、まさに母親のだいご味だと思います。
成長するにつれて、どんどんいろいろなことを覚えてくれる。

言葉に言いつくせないくらい幸せでした。
1～２時間置きの授乳も、睡眠不足もなんのその。
子どものためならば、どんなことでも耐えることができます。

嫁いで希望に満ち溢れていた。
いい嫁になろう。舅・姑を大切にしよう。夫の兄弟と仲良くしよう。
お料理やいろいろなことを、沢山教えてもらって頑張ろう！

でも、どんなに頑張っても、家族は誰も私を認めてくれようとしませんでした。
いい嫁になりたい。認めてもらいたい。頼りにしてほしい。
必死に頑張っていた毎日、ストレスのかたまりだらけでどんどん蓄積していきました。

きっと鬼のような母親だったでしょうね。

心がいっぱいいっぱいになった頃から、こどもにそのストレスをぶつけるようになりました。
いつの間にかわが子を虐待し始めていたのです。
自分の気持ちがどうしてそうなってしまうのか、無意識の中で行動していたような気がします。
いつも目をつり上げて、怒鳴ってたたいていた。

小さな頬にビンタをし、恨めしそうな眼で見つめられてさらに逆上した。
「なんなのその目は！」さらに子どもを激しく怒鳴りつけてたたいていた。

涙が頬を伝わって自分がとても情けなくてつらい。
私はなんてことをしているのだろう。止めなくちゃ！
そう思ってもこころと行動がバラバラで、こどもへの虐待を止めることができませんでした。

ちいさなSOSに気づいてもらえたら…

嫁ぎ先の慣習や習慣、家族の言動に絶望感が深くなっていきました。
誰かに「助けて！」と叫びたかった。
それができずに、いつもグッとのみ込んでいた自分がいたのです。

あの時、「どうしたの？」と、誰かに温かな言葉をかけてもらえたら…。
虐待せずにすんだかもしれません。
虐待していたあの時の気持ち、ほんとうにつらかった。
だからこそ、そんな悩みを受けとめることで、少しでも誰かの支えになれたらと願っています。